街中にある様々な銅像やモニュメント。歴史上の人物像なら「この辺りに縁のある人なのかな?」と思うのですが、中には「これってなんだろう?」「何がテーマなの?」と考えてしまうような、複雑な形をしたものも…。今回の疑問は和歌山市のペンネーム、高松のやすんこさんから届いた「和歌山県立図書館前のモニュメントは何を意味している?」です。

 大きく、入り口近くにあるので、必ず視界に入る幾何学的な形のモニュメント。作者はこの作品にどんな意味を込めたのでしょう。

 


 

紀州の海と本をイメージ

 「和歌山県立図書館前のモニュメントは何を意味している?」。同館に聞くと、「『ウェービングフィギュア』というタイトルの作品です。紀州の海をイメージしており、波の重なりは書籍を表しています」とのことでした。

 作ったのは東京都出身の彫刻家、建畠覚造。同じく彫刻家だった父、大夢(たいむ)が有田川町出身との縁で、1982年に県文化賞を受賞しています。  

 この作品は、和歌山県立図書館ができた1993年7月につくられました。高さ7・4㍍、重さ約2000㌔のステンレス製です。  

 実はこれ、同じタイトルの作品が多数あるシリーズもので、東京・池袋の東京芸術劇場入口や仙台市地下鉄長町南駅前、秋田県や島根県の美術館など、日本各地に設置されています。大きさや形はそれぞれ異なりますが、すべて波を連想させる形になっています。和歌山市役所前広場にあるモニュメントも、このひとつです。

(ニュース和歌山/2022年2月5日更新)