《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方  常夫院長

 ご相談者は心不全のようですね。心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」といわれています。息切れや足のむくみは主な初期症状で、このほか体重増加やだるさ、疲れやすさなどが現れることもあります。 

 心不全の原因としては、加齢、肥満、高血圧、糖尿病、心房細動、肺高血圧、冠動脈疾患などが考えられています。さらに、心筋症、弁膜症、先天性心疾患など、さまざまな併存疾患が関与していると指摘されています。診断は、心電図、心エコー検査、血液検査、X線検査などでスクリーニング検査を行います。また、治療は、診断や病態に応じて、利尿薬、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬に加え、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)、アンジオテンシン受容体/ネプリライシン阻害薬(ARNI)、さらにSGLT2阻害薬が使用可能となりました。

 超高齢社会の日本では、高齢の心不全患者が急増する「心不全パンデミック」が予想され、医療体制の大きな負担が危惧されています。このため、一人ひとりが日常生活において心不全を予防し、再発させない心がけが大切です。主治医とよくご相談ください。

(ニュース和歌山/2022年7月23日更新)