《回答者》
◆歯 科
しが歯科医院
マウスピース矯正研究会代表
志賀  弘明院長

 最近はマウスピース矯正を行う歯科医院が増えてきました。歯科医師の経験、知識、技術に加え、最新テクノロジーを搭載した機器の有無も、正確できれいな矯正治療を行えるかどうかの判断基準になります。

 今でこそ「大人の歯列矯正」として認知度が高いマウスピース矯正ですが、20年ほど前の導入当初は、シリコンで歯の型どりや模型を作るといったアナログな作業を行わねばならず、完成までに時間がかかる上、歯科医師の技術によって仕上がりに差がでることもしばしばでした。

 しかし、現在はAI技術が進歩し、3D光学スキャナーが登場したことで、口腔内の状態を短時間で測定し精密にデータ化、精度の高い治療を安定的に行えるようになりました。歯列矯正は、コンマ数㍉という非常に緻密な治療です。満足度の高い治療のためには、今後もAIの技術革新が不可欠でしょう。

 なお、マウスピース装着中は、唾液の質や分泌量が低下しがちで、虫歯や歯周病のリスクが高まります。提供する医院においては矯正だけに留まらず、これらのリスクへの対策としてメンテナンスをしっかりと行うとともに、顎関節や頚椎も含めたトータル的な知見と対応能力が求められます。

(ニュース和歌山/2022年10月22日更新)