和歌山のシンボル、和歌山城の二の丸庭園近くにある伏虎像についての質問が届きました。和歌山市のM・Hさん「伏虎像は戦前、立ち姿の像だったと聞きましたが、本当?」を調べます。

 昨年、全国の美術館や博物館を対象にした「ミュージアム干支コレクション」で、1位に選ばれた現在の伏虎像は2代目。コンクリート製、高さ1・2㍍、横3・5㍍、奥行き2・9㍍あります。大きな体を横たわらせ、台座には「伏虎」と書かれており、立ち姿は想像できませんが…。  

迫力ある伏虎像


戦前までは立っていた

 「和歌山城の伏虎像は昔、立っていた?」。和歌山市立博物館によると、「1942年まで虎は立っていました」とのことでした。

 初代虎の像が建てられたのは1922年。このころの像は銅製でした。戦時中、武器や飛行機製造に使う鉄や青銅が不足。軍の金属類回収令により、寺院の鐘や仏像、家にある鍋やベーゴマなどと同じように、虎の銅像も取り上げられてしまいました。写真は1928年ごろのものです。軍服を着た手前の男の子が時代を感じさせます。

 終戦後、1958年に天守閣が再建され、その翌年、2代目の像を設置。和歌山城の別名「虎伏城」から、伏せた姿で作られました。

(ニュース和歌山/2023年2月18日更新)