《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
和歌山県立医科大学
整形外科学講師
整形外科専門医
日本人工関節学会認定医
西山  大介先生

 以前からコンピュータナビゲーションによる高精度な人工膝関節置換手術が実施されていました。ロボット手術とは、これをさらに進化させたロボティックアームが、患者ごとの三次元データをもとに作成された計画どおりの手術ができるよう執刀医を支援するものです。0.5㍉、0.5度単位で高精度に設置することができ、インプラント(人工関節)が長持ちすることにもつながります。

 このロボットは医療機器として承認され、世界中で20万例以上使われています。工場などで使用される完全自動ロボットとは異なり、医師がロボティクアームを操作しますが、安全性も非常に優れています。車の自動運転のように自動制御され、血管・神経の損傷などの合併症を防ぎます。

 膝の周辺の柔らかい組織の緊張の程度には個人差があり、手術中に骨を切る量や角度を調整する必要があります。より精密な関節バランスの調整を行うことで、〝しっかり伸びてよく曲がる、さらに安定している〟という理想の人工膝関節手術を実現することが期待できます。

 ただ、この手術を行っている医療機関は限定されます。ご希望の方は、お近くの整形外科施設にご相談ください。

(ニュース和歌山/2023年3月25日更新)