普段何気なく目にしているものが、ふと「これってなんだろう?」と気になる瞬間はありませんか? 今回は和歌山市のペンネーム、ひまわりさんの「和歌山市本町の紀陽銀行本店、建物の壁面に4つのレリーフがありますが、だれの作品ですか?」を調べます。

 行ってみると、立派な作品が飾られていました。木の側に座る女性、魚を獲っている男性、子どもを抱きながら果物を収穫する女性、機織り機の前に座る女性…。それぞれの絵の意味も気になりますね。 

4つの作品が並んでいる


紀の川市出身の芸術家保田龍門

 「紀陽銀行本店にある壁のレリーフはだれが作った?」。同行の荒井和宏広報室長によると、「紀の川市出身の芸術家、保田龍門です」とのことでした。

 1954年に本店を建て替える際、装飾のため作ったもので、タイトルは「春夏秋冬」です。セメント製で、それぞれ林業、漁業、かんきつ、繊維と、県の産業や特産物を表現しています。

 生涯、彫刻と絵画を追究し続けた保田龍門は、大阪市立美術研究所や和歌山大学学芸学部(現教育学部)で教授を務めました。和歌山城南側の岡公園に立つ和歌山市出身の政治家、陸奥宗光像や、県庁本館1階にある丹生都比売命と高倉下命(たかくらじのみこと)のレリーフも彼の作品です。

 県庁のHPに、「保田龍門わかやま作品巡りガイドブック」が載っています。作品の場所が書かれていますので、これを片手に県内各地を回ってみてはいかが?

(ニュース和歌山/2023年4月1日更新)