読者からの疑問に答えるこのコーナー。今回は、和歌山市の40代男性から届いた「紀和駅前の水準点とは何?」を調べました。

 早速、駅に行くと、紀和駅前公園の一角に「水準点」と書かれた看板があり、そのすぐ横に、立方体の石を囲むように4つの直方体の石が置かれています。かなり古いようです。中央の石は、真ん中にボタンのような小さな出っ張り。何をするためのものでしょうか。

 看板に「国土地理院近畿地方測量部」とあり、電話も載っていますので、確認しました。

中央の石を取り囲むように


土地標高示す基準になる点

「紀和駅前の水準点とは何?」。国土地理院近畿地方測量部によると、「土地の高さ(標高)を示す基準になる点」です。東京湾の平均海面を標高0㍍とした高さとのことです。

 紀和駅前にある水準点は、元は明治時代の1886年設置で、公園整備翌年の2018年に現在地に移設。中央の石にある出っ張りが基準の高さで、標高は3・1㍍。周りの石は、中央の石を守る保護石です。

 水準点は主な国道沿いなどに約2㌔ごとに設置され、県内に326点、全国では1万6000点以上あるそうです。

 水準点は地理院地図で確認できます。例えば、地蔵の辻交差点から約500㍍東のJR高架手前にある国道24号歩道に金属製の水準点が埋め込まれています。一方、地下にありマンホールなどでふさがれたものも。分かりやすいのを探してみませんか。

(ニュース和歌山/2023年6月3日更新)