和歌山県内で開かれる祭りの情報が〝ドンドン〟発表されています。花火を打ちあげる会社は今まさに繁忙期。みなさんに「あっ!」と驚いてもらえるようなプログラムを作っています。

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 今回紹介するのは、花火玉の中に入った仕掛けによって様々な方向に火花が飛び散る「ポカ物」の代表格をひとつ。もうひとつは、ポカ物と、丸い形に花火が広がる割物の両方の特徴を持った「半割物(小割物)」です。今年の花火大会でもきっと見られるはずですよ。

◆柳(やなぎ)

 ポカ物の一種。花火玉が割れ、「星」と呼ばれる火薬の粒に火がつき、たくさんの火花が柳のように垂れ下がりながら落ちていきます。花火大会に欠かせない一発です。

◆千輪(せんりん)

 こちらは半割物。割物よりも破裂する力が弱いですが、割れると中から小さな玉が飛び出てきて、たくさんの花を一斉に咲かせます。千輪は小割物の中でも代表的な種類です。小玉が開くまで一瞬間があくので、「あれ? 失敗かな」と勘違いする人もいるのでは。

◆ちょっと豆知識

 花火が打ち上がった時の掛け声といえば「たーまやー」と「かーぎやー」。これは江戸時代、実際にあった花火師の店「玉屋」と「鍵屋」が由来とされています。1733年に始まった「両国の花火(現在の隅田川花火大会)」で見事な花火を打ち上げたそれぞれの店を讃え、見物客たちが屋号を叫びました。これが全国に広がったそうです。

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 今年の夏は久しぶりに日本中で「たーまやー」「かーぎやー」の声が上がりそうですね。次回も打ち上げ花火の種類を紹介します。

紀州煙火社長 藪田さゆり

(第1~4土曜掲載。バックナンバーはニュース和歌山HPで見られます)

(ニュース和歌山/2023年7月8日更新)