いよいよ夏本番、祭りに行く予定は立てましたか? 最終回に紹介するのは、花火大会の締めくくりに登場する豪華な花火です。みなさんきっと見たことがあるはずですよ。

◆錦冠(にしきかむろ)

 金色の長い尾を引く花火です。元々芸奴さんの髪型「禿(かむろ)」に似ていることから名前が付きました。ちなみに、銀色のものは「銀冠(ぎんかむろ)」と言います。

 最後に披露されることが多いので、これが上がると、見物客が帰り支度を始めるほどです。

◆まだまだたくさん!

 これまで紹介した花火はほんの一部です。このほかには、▽ハートや魚、スマイルマークなどの形が現れる「型物」(ちなみに、火花は平面に広がるので、正面から見ないと何の形か分からなくなることも…)。スタートやクライマックスを盛り上げる各種「仕掛け花火」には、▽木枠に火薬を詰めた細い筒を図や文字の形に取り付け、一斉に点火する「枠仕掛け」▽横に張ったロープから火薬筒を等間隔に垂らし、火花が滝のように流れ落ちる「ナイアガラ(滝仕掛け)」は大人気です。

 打ち上げ方でも見え方が変わります。▽海や川、湖などの水面に向けて発射し、着水ギリギリで花火が半球状に開く「水中花火」は、空中はもちろん水面に花火が映え、美しさが倍増します(写真下)。

水面にも花火が

▽これまで紹介した花火を間断なく打ち上げ、夜空のあちこちで花が開く「スターマイン」の迫力は圧巻です。

 伝授した内容をしっかり覚えておけば、花火をさらに楽しめること請け合いです。

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 各地の花火大会に出かけ、とびきりの夏の思い出を作ってくださいね。

紀州煙火社長 藪田さゆり

(第1~4土曜掲載。バックナンバーはニュース和歌山HPで見られます。8月はボーイスカウト和歌山連盟広報委員長の平井孝朗さんが防災の知恵について紹介します)

(ニュース和歌山/2023年7月22日更新)