読者の疑問を解消するこのコーナー。今回は、和歌山市のグランママさんから寄せられた「和歌山城西側、県庁前バス停周辺の住居が取り壊されていますが、なぜ?」を調べました。

 確かに、県庁前交差点付近のお城側には以前、楽器店や飲食店などが並んでいましたが、一部が無くなっています。交差点北東の三角地帯から撤去されたところは更地になっていますので、お城の石垣を見られます。

 和歌山城を管理する和歌山市の城整備企画課に聞きました。

県庁前交差点付近で建物撤去が進む

国史跡指定で往時景観復元

「和歌山城西側の住居が取り壊されているのはなぜ?」。和歌山城整備企画課に聞くと「往時の景観を復元するため」でした。

 撤去が進む辺りは、かつて「扇の芝」と呼ばれ、馬場や、城を整備する際の資材を置く場所として利用されていたそうです。この辺りは砂丘だったので堀を造れず、防御用に高石垣が築かれました。

 しかし、建物の建設が進んだことで、県庁前交差点付近からは石垣を見通せなくなりました。

 扇の芝を城と一体的に整備するため、2018年から国の史跡指定を受けて、建物を撤去。江戸期の景観に戻して28年をメドに都市公園として供用開始予定です。

 江戸時代に親しまれた風景が現れる日が待ち遠しいですね。

(ニュース和歌山/2023年7月15日更新)