今回はアカハナグマについて紹介します。食肉目アライグマ科ハナグマ属に分類されるほ乳類で、体長は40~65㌢、体重は2~6㌔程度と、小型犬と中型犬の間くらいの大きさです。

 〝アカハナグマ〟という名前ですが、鼻が赤いわけではありません。体毛が通常のハナグマと比べて赤いことから名付けられました。しかし、実際の体色は灰かっ色や茶色、茶かっ色など様々です。

                  木登りが大好きなハナちゃん

 雑食性でリンゴやバナナなどの果実や、クモやムカデなどの虫、ほかにもは虫類、鳥の卵などを食べます。園内で暮らしているアカハナグマのハナちゃんには、蒸したサツマイモや鳥のモモ肉、動物のエサとして使われるミルワームという幼虫などをあげています。長く突き出た鼻を使ってエサを探すため、少し大きめに切ってあげると、上手にご飯にありつくことができます。

 また、野生だと木になった果実を求めてスイスイ登り、採取します。まさに達人技で、長い尻尾を巧みに使い、バランスを取ることで、地上と同じように動き回れます。

 普段は口ではなく、鼻を使って鳴きます。「ピッ、ピッ」や「ピフ」など、小さく鼻を鳴らして仲間とコミュニケーションを取ります。口で鳴く時は、警戒したり怒ったりしている時なので、ほとんどその鳴き声を聞くことはありません。ハナちゃんは、私たちが掃除のために園舎内に入った時や、エサの時間になるといつも「ピフピフ」と鳴きます。仲間が来たと喜んでいるのかもしれませんね。

    今回の担当:中村旭さん

 動物園に来たときはこれらの特徴に注目して、ハナちゃんを見てあげてください。

(ニュース和歌山/2023年7月15日更新)