《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 そけいヘルニアの手術当日は、帰宅後安静が必要です。翌日からは無理をしない範囲で、軽く歩きましょう。歩行は血流を促進し、回復を早めるために有効です。術後3日間は、処方された薬を適切に使用し、痛みをコントロールします。万が一、痛みが強い場合や腫れ、発熱があれば、すぐに連絡し、指示を受けてください。

 1週間程度は、傷口を清潔に保つことが大切ですが、消毒は不要です。翌日からは入浴をはじめ、プール・温泉も可能です。ただし、傷口を強くこすらないよう注意してください。

 食事は、術後すぐは消化に良いものを選び、便秘にならないよう注意してください。便秘は腹圧を高め、再発や傷口への負担となる可能性があります。便秘の際、下剤や浣腸を使用することは問題ありません。

 また、重いものを持ったり、激しい運動をしたりすることは傷口への負担となりますので、少なくとも10日から1ケ月間は控えてください。医師の指示に従い、段階的に日常生活に戻るよう心がけましょう。術後の診察は必ず受診し、気になる症状があれば遠慮せず相談することをおすすめします。

 心身の無理を避け、規則正しい生活を送ることが、回復を早め、再発を防ぐ鍵となります。

(ニュース和歌山/2024年12月21日更新)