《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 下肢静脈瘤は、足の静脈血管内の血液逆流防止弁が壊れて発症します。足の血管が浮き出てコブ状になるほか、だるさやむくみ、就寝時のこむら返りなどの症状が見られます。

 下肢静脈瘤にはいくつか種類があります。足の皮膚表面に、主に赤紫色で0.5~1㍉ほどの毛細血管が透けて見えるのを、「蜘蛛(くも)の巣状静脈瘤」といいます。見た目は気になりますが、それ以外に症状が出ないため、治療の対象ではありません。太ももの外側や内側、膝裏に2~3㍉ほどの青い血管が目立って見えるのは、「網目状静脈瘤」と呼ばれます。ごくまれに足のだるさやむくみを伴います。その場合、血管内に薬を注射して静脈自体を固め、血流を止める硬化療法を行うことがあります。

 膝下に多くみられる5~20㍉ほどに太くなった静脈瘤は、病状が進むにつれ、血管がくねくねと蛇行します。こむら返り、だるさ、むくみなどの症状に続き、進行すると皮膚の痒みや色素沈着が現れます。ここまで悪化すると、根治手術が必要となります。

 下肢静脈瘤は良性疾患ではありますが、少しずつ症状は進行します。ボコボコに太くなった血管のある方は、医療機関の受診をおすすめします。

(ニュース和歌山/2025年2月15日更新)