《回答者》
◆栄養部
今村病院
管理栄養士
阿波 智巳先生
短鎖脂肪酸とは、油脂を構成する成分のひとつです。 複数の炭素が鎖のように連なった化学構造をしていて、そのうち炭素の数が6つ以下だと 「短鎖脂肪酸」 と呼ばれます。
短鎖脂肪酸は、ビフィズス菌などの善玉菌が、大腸で食物繊維やオリゴ糖をエサとして食べた際に産生する物質で、主なものに「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」 があります。腸内環境を整えるだけでなく、肥満防止や免疫力の向上、血中コレステロールの低下、認知機能の低下抑制など、健康に有益な効果が期待できます。
短鎖脂肪酸は、乳製品や酢などの食品にも含まれますが、小腸で吸収されてしまいます。よって、大腸での産生につながる材料となるものを摂取することが効果的です。
〜短鎖脂肪酸の産生を高めるために〜
■ビフィズス菌などの善玉菌を摂取する
▽ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、味噌など
■善玉菌のエサとなるものを摂取する
▽水溶性食物繊維を多く含む食品=大麦、オーツ麦、海藻類、果物など
▽オリゴ糖を多く含む食品=きなこ、バナナ、 玉ねぎ、 はちみつなど
(ニュース和歌山/2025年5月25日更新)