《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
足の血管のコブが目立ってきても、他に不快な症状がなければ経過観察で良いでしょう。ただし、症状が進行しないよう、普段からウォーキングや筋肉を使う運動を心掛けてください。また、足を圧迫する着圧ソックスや、医療用の弾性ストッキングなどを、日中に着用することも有効です。
一方で、夜中に何度もこむら返りが起きたり、かゆみや色素沈着(膝下に皮膚の黒ずみ)がある人は治療が必要です。そのまま放っておくと、血行不良により炎症が起こり、皮膚が傷ついて潰瘍になるなど、重症化する場合があるためです。
下肢静脈瘤の治療は手術です。原因となる壊れた血管にレーザーを照射し、閉じる方法が一般的で、眠っている間に終わります。術後は安静にしなくてもよく、当日も普段通りに過ごせます。翌日から軽い運動や仕事、入浴も可能です。
良性の疾患ですので、治療しなくても健康を損なうことはありませんが、自然には治りません。病状が少しずつ進行し、むくみやだるさなどが出始めると、手術治療を検討します。
すでに下肢静脈瘤と診断されている人は、日ごろから足の状態を観察し、違和感や変化に気づいたら医療機関で診察を受けましょう。
(ニュース和歌山/2025年5月25日更新)