《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 熱中症は、蒸し暑い環境で大量に汗をかき、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発症します。気温が25℃以上、湿度70%以上の日は、屋外・室内を問わず注意が必要です。特に風が弱く、日差しが強い日は、危険度が高まります。

 主な初期症状は、めまい、立ちくらみ、頭痛、大量の発汗、筋肉痛、こむら返り、吐き気や嘔吐などです。疑わしい症状が出た場合は、まず涼しい場所に移動し、水分や塩分を補給しましょう。首筋、脇の下、太ももの付け根などを冷やすのも有効です。意識がもうろうとしている場合は重症の可能性があるため、すぐに救急車を呼んでください。乳幼児や高齢者、肥満の方、糖尿病などの持病がある方、また、下痢・二日酔い・寝不足といった体調不良の時も、熱中症リスクが高くなります。

 予防には、こまめな水分・塩分補給と、室温管理が大切です。エアコンや扇風機を活用し、屋外では日陰を選びましょう。カフェインやアルコールは利尿作用があるためおすすめできません。一方で、梅干しやレモンなどのクエン酸、豚肉や豆類に含まれるビタミンB1など、栄養バランスのよい食事を心がけてください。熱中症にかかりにくい身体づくりに取り組みましょう。

(ニュース和歌山/2025年6月29日更新)