農林水産物や加工食品を海外へ輸出する手助けにと、和歌山市と日本政策金融公庫が9日、事業者向けに輸出セミナー&相談会を市役所で開催した。海外での販路を持つ商社と橋渡しをした。

 輸出を前提としたセミナー、相談会を同市が主催するのは初めて。最初に同公庫が「2013年以降、全国から輸出される農林水産物は増え続け、昨年は7500億円に達しました。19年には1兆円が見込まれます」と話した。

 続いて、北米輸出で実績のある神戸市のクラウン貿易が、10年に北米で1万4000店だった日本食レストランが15年に2万5000店まで急増し、ビジネスチャンスの広がりで将来性が望めると紹介。「現地ニーズに合わせた商品のアピールが重要」と説いた。

 また、シンガポールで事業展開する大阪市のRE&S JAPANは、果物を中心に日本の食材が年々浸透しているとし、「近年はマグロが広がりつつあり、魚介類や菓子の人気が高い」と報告した。

 セミナーには11社が参加。各国の状況を調査する和歌山大同青果の和田泰明常務は「高くてもおいしいものを少量求めるところがあります。年明けにミカンの出荷から始めたい」、野菜を生産するk・ふぁーむの柿本滋紀代表は「安定した利益を得るため、新しい加工品を模索中。どんなものが好まれるか分かったのは収穫」と今後の展開に意欲を見せた。

写真=地元企業と商社の担当者が個別に話し合った

(ニュース和歌山/2017年11月18日更新)