紀州徳川家初代藩主、徳川頼宣が和歌山入りして来年で400年。その頼宣が紀州徳川家の菩提寺に定めた海南市下津町上の長保寺に、「和歌山藩主徳川家墓所」がある。国史跡に指定されているこの墓所を良い状態で未来へ残そうと、県海草振興局は草刈りや落ち葉拾いなどを行う文化財保全ボランティアを募集している。同局総務県民課は「地元の文化財にふれ、ふるさとへの愛着を深めてほしい」と呼びかけている。

 本堂、多宝塔、大門がそろって国宝になっている長保寺。徳川家墓所は裏山の斜面約3万3000平方㍍に広がる。5代藩主の吉宗、13代藩主の慶福(よしとみ。後の14代将軍家茂)をのぞく歴代藩主13人の墓標が並ぶ。

 昨年6月、歴史好きの県民から、ボランティアによる保全活動を提案するメールが県庁に届いた。これを受け、ボランティアを募集することにした。

 普段の手入れは寺の関係者が行い、海南市の老人クラブ有志も年1回、清掃しているが、敷地が広く、特に落ち葉の多い秋などは手が足りない状況。同寺の瑞樹弘芳(たまき・こうほう)さんは「墓所があるのを知らない人も多いと思います。今回の活動が紀州藩について、また徳川家の菩提寺になる前から続く寺の歴史を知ってもらうきっかけになれば」と願う。

 ボランティア活動は3月4日(日)午前9時から約2時間。雨天中止。また、参加者を対象に、紀州徳川家に関する講座を2月18日(日)午後1時半、和歌山市手平のビッグ愛9階で実施する。講師は県立博物館学芸課の竹中康彦課長。申し込みは氏名、住所、年齢、電話番号、メールアドレス、講座参加の有無を同課(073・441・3436、FAX同423・9269、メールe1301111@pref.wakayama.lg.jp)へ。 ボランティアは2月21日締め切りだが、講座受講を希望する人は14日までに申し込む。

(ニュース和歌山/2018年1月20日更新)