校舎のすぐ前を南海電車が走る和歌山市西庄の西脇小学校。2年生55人が、地元の名産にちなんだ「しらす電車」の実現に向け、車体や車掌帽を手作りしている。平澤築(きずき)くんは「地域の人に聞き、昔や今の西脇のいいところをたくさん知った。今度はぼくたちがしらす電車で、西脇の見どころをいっぱいアピールしたい」と目を輝かせている。

 西脇地区はしらすが有名で、加太線を走るめでたいでんしゃが人気を集めていることから、児童が発案。昨年10月に製作を始め、座席や魚型のつり革を段ボール、運転席のレバーをティッシュペーパーの箱、車内で販売するしらす丼を綿で作り、1ヵ月かけて完成させた。花の中にしらすを描いた校章のようなシンボルマークも考えた。

 2月6日は体育館でしらす電車を〝運行〟。しらす漁で使われるサイレンを電車の発車音として鳴らし、「次は加太〜、加太〜」とアナウンスをする子、つり革を持って電車に揺られる子…。見学に来た駅員に、「線路を走るしらす電車が見たい」と依頼する子もいた。

 座席を作った三尾美月ちゃんは「河西公園のイメージで緑や青に塗りました」と笑顔。丸田翔子教諭は「実現するため、子どもたちと観光協会や南海電鉄に相談しています。進級しても呼びかけを続けようと意気込んでいますよ」と話していた。

写真=手作りの帽子で運転士になりきる

(ニュース和歌山/2018年2月17日更新)