和歌山市の菅沼直子さん 指導者向け発音検定開発

 和歌山市の英会話講師、菅沼直子さん(46)が、指導者向け「英語発音技能検定EP─Pro」を開発し、日本人の英語力底上げに奮闘している。「先生の発音指導力を上げ、日本人が良質な発音にふれながら生きた英語を学べる環境をつくりたい」と笑顔を見せる。

 東京出身の菅沼さんは5歳から4年間、サンフランシスコ郊外で過ごした。慶應義塾大学卒業後、会社勤めを経て、4人の子育てをしながら小学校で外国語活動のゲストティーチャーを6年務めた。2011年に和歌山へ移住し、英語の個人レッスンや通訳・翻訳業のほか、乳幼児に英語絵本を読み聞かせる。

 発音に着目したのは、指導する中で「読み書きできるけど、聞く・話すは苦手」「学校で何年も勉強したのに使えない」と嘆く生徒が多いと感じたため。英語圏では幼少期に発音の規則を学ぶ授業があり、自身も受けており「正しい発音を理解すれば、聞き取れるようになりコミュニケーション力がつく」と強調する。

 発音より受験英語が重視される環境が歯がゆく、教育から変える必要があると感じ、指導者向けの検定を発案。2年がかりで問題をつくってHPを立ち上げ、昨年7月に公開した。

 検定は3級~特級の4段階あり、インターネットで受けられる。受験者が試験内容を読み上げた動画を、菅沼さんや英語を母国語にする外国人らが判定。指導時の注意点や本人の癖、良い点などを細かく伝える。これまで、全国の英語塾講師ら延べ20人が受験。合格者からは「自分の発音能力を客観的に知れ、自信を持って指導できるようになった」と喜ばれた。

 20年には小学校で英語が教科化される。菅沼さんは「検定が発音教育に目を向けてもらうきっかけの一つになり、だれもが英語で堂々とコミュニケーションをとれるようになれば」と願っている。

(ニュース和歌山/2018年7月11日更新)