2018年も残すところあとわずか。今年は西日本豪雨や大型台風、大阪と北海道での地震と日本全体が自然災害に見舞われた一年でした。一方、和歌山では天守閣再建60周年や、稲むらの火にまつわる文化が日本遺産に認定されるなど明るいニュースも。今年を振り返ります。

 

台風21号 深い爪あと

 非常に強い勢力の台風21号が9月4日、和歌山を襲った。和歌山市で観測史上最も強い最大瞬間風速57・4㍍を記録。県内で死者1人、重軽傷者31人が出た。停電は32万7000軒、和歌浦にある三断橋の欄干が倒れ(写真)、雑賀崎の工業団地が高潮で浸水。県内の農林水産被害は64億800万円に及ぶなど深い爪あとを残した。

 

智辯選抜準V 髙嶋監督勇退

 春の選抜高校野球大会で智辯学園和歌山高校が準優勝した。2試合連続での5点差逆転に、延長10回のサヨナラ勝ちと熱戦をものにし、頂点まであと一歩に迫った。また、夏の全国選手権後、1980年からチームを率いてきた髙嶋仁監督が勇退し、名誉監督になった。髙嶋監督は春夏合わせて甲子園最多の68勝を挙げ、優勝3回、準優勝4回を果たした。

写真=準優勝した春の選抜

 

熊野からサクラの新種

 紀伊半島南部で見られるクマノザクラが3月、国内に分布する野生のサクラとしては103年ぶりの新種と確認された。これまではヤマザクラかカスミザクラが変異したものと見られていたが、この2つに比べ開花時期が早く、葉の長さや幅が小さいなど異なる点がある。今後、観賞用としての普及が期待される。

写真=古座川町で3月に開かれた説明会に80人が参加

 

梧陵の教え 日本遺産に

 稲むらの火にまつわる広川町の防災文化「『百世の安堵』〜津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産」が5月、文化庁の日本遺産に認定された。濱口梧陵が築いた広村堤防、梧陵が稲わらに火をつけて村人を誘導した広八幡神社、毎年11月の津浪祭など、地域内の防災に関する文化財をつないで発信していく。

写真=広村堤防と松林

 

中心市街地新大学第1弾

 県と和歌山市が中心市街地活性化と地元での進学・就職者増のために誘致した大学の第1弾として、同市東坂ノ上丁の雄湊小学校跡地に4月、東京医療保健大学和歌山看護学部が開校した。入学生104人のうち、100人が県内出身。日赤和歌山医療センターと連携し、地域医療を担う看護職の育成に取り組む。

 

お城の天守閣再建60周年

 和歌山城天守閣が戦後の再建から60周年の節目を迎えた。〝還暦〟を祝うレッドライトアップ、バーチャルリアリティを使った謎解きゲームなど、様々な企画が行われた。周辺でのイベントも盛り上がりを見せた。こどもの日にけやき大通りで行われたディズニーパレードは約6万人が詰めかけ、50回目となる8月の紀州おどりぶんだら節は観客約15万人が訪れた。

(ニュース和歌山/2018年12月22日更新)