和歌山三幸川柳会主幹で、ニュース和歌山川柳欄の選者を務める三宅保州さん(83)の句集『川柳作家ベストコレクション 三宅保州─今日という糸を明日へ織り紡ぐ』が2月27日、新葉館出版から発売された。

 三宅さんは県庁職員時代の36年前、ストレス解消と生きがいを得るため、川柳を始めた。すぐに魅了され、毎月2000句ほどを詠み、そこから選んだ数百句を本紙川柳コーナーや所属する結社へ投句するほどのめり込んだ。現在は全日本川柳協会常任幹事、県川柳協会会長などを務めるほか、教室8ヵ所で指導に当たる。

 今回の句集は、新葉館出版が発行する『川柳マガジン』が200号を迎えたのを記念し、全国200人によるベストコレクションが出版されることになり、その1人に三宅さんが選ばれた。

 収めたのは、過去の入選句約9万作品から厳選した240句。句集のタイトルになっている〝今日という糸を明日へ織り紡ぐ〟は「人生をはた織りに例えた作品。きょう織って終わりでなく、あすへ、あすへと少しずつつないでいこうとの思いを込めました」。〝定年後も首に鎖の痕がある〟は仕事から解放され、自由の身になったものの、現役時代の苦しさがどこかに残っているサラリーマンの悲哀を詠んだ。

 「今後も〝一句入魂〟で川柳道を進みます。私自身の句作だけでなく、〝楽しみは頭ひねって五七五〟をモットーに、普及にも貢献してゆければ」と三宅さん。
 新書判、96㌻。1296円。同社(06・4259・3777)。

(ニュース和歌山/2019年3月23日更新)