和歌山初 週5日型開園

 和歌山の森や海、川を〝園舎”に、子どもたちの生きる力を育む「めぐみと森のようちえん」が4月8日、開園した。佐道大倫代表は「五感を使って心を動かし、子どもたちが、ありのまんまでいられる場になれば」とほほ笑んでいた。

 森のようちえんは、北欧で生まれた野外保育の総称。遊具やおもちゃのない自然の中で過ごすことで、自主性や感受性が育つと全国で広がりを見せる。大倫さんは妻の匡子さんと2年半前に月1回から始め、今回、3歳以上の未就学児を対象に県内初の週5日型として開いた。

 岩出市根来のげんきの森を中心に海や川でも過ごし、週2日は和歌山市内で食事作りや畑仕事に挑戦する。1日のスケジュールは子どもたちが話し合いで決め、森の中で葉っぱを皿にままごとをしたり、枝を集めて秘密基地を作ったりと自由に遊ぶ。保育者は指図することなく、子どもの力を信じて寄り添う。

 8日の入園式は小鳥がさえずり、山桜の花びらが舞う中、園児は童謡『とり』や『にじ』を合唱。「木のおうちを作ってみたい」「木登りしたい」と瞳を輝かせていた。1年半前のプレ開園時から参加する垣内善くん(3)の母、結喜(ゆうき)さんは「一律でなく、子どもそれぞれの歩調に合わせてくれるのがいい。好きなことをしてのびのび過ごしてほしい」と目を細めていた。

 大倫さんは「海も山も川もある和歌山は最適の場。森のようちえんが他の幼稚園や保育園と同じように、幼児期に過ごす選択肢の一つになってほしい」と願っている。

 和歌山市西汀丁、平井、六十谷から送迎バスあり。同園(takihata_megumi@yahoo.co.jp)。

写真=根来山げんきの森で和やかな雰囲気の中、入園式が行われた

(ニュース和歌山/2019年4月27日更新)