パソコンやテレビのゲームで対戦し、スポーツとして楽しむeスポーツ(エレクトロニックスポーツ)。世界の競技人口が1億人を超え、今年の茨城国体で文化プログラムとして採用されるなど、国内外で盛り上がりを見せている。4月には和歌山eスポーツ協会が発足。事務局長の谷本翔太さん(29)は「和歌山からプロプレーヤーを生み出し、世界で戦ってもらいたい。〝野球王国和歌山〟のように、〝eスポーツ王国和歌山〟を目指す」と熱が入る。

協会発足 10月に初イベント〜「世界で戦うプロ生み出したい」

 eスポーツは、ゲームの対戦をスポーツ競技としてとらえたもの。格闘、サッカー、パズルなどのゲームを使い、国内外で大会が開催され、海外では賞金が3億円を超える大会もある。
 eスポーツで地元を盛り上げようと、和歌山市の谷本さんが中心となり、和歌山eスポーツ協会を立ち上げた。普及やコミュニティづくり、大会を初めとしたイベントを開催するほか、チームの設立、運営に関する相談にのる。

 現在、社会人チーム「スパブゲーミングス」、和歌山大学の「スマブラサークル」を協会公認チームとして認定。スパブゲーミングスの総括、須山佑介さん(31)は「以前は他県のチームに所属していましたが、和歌山に協会ができたと知り、結成しました。地元の人にeスポーツを知り、応援してもらえるようなプロを目指す」と意気込む。

 一方、和大スマブラサークルは、1〜4年の19人が所属。大阪で開催されるアクションゲームの大会「スマバト」や、大学サークル対抗戦に出場する。大学のサークルが都道府県協会から認定されるのは全国初。代表の宮田佳典さん(22)は「学生の間にゲームイベントを開催するのが目標。協会と協力し、たくさんの人に楽しんでもらえる内容にしたい」と張り切る。

 10月の国体では初めて文化プログラムとして、カーレース、パズル、サッカーゲームの3種目が行われる。その県予選が7月と8月に実施された。イオンモール和歌山で開かれたサッカーゲーム予選会では、110×62㌢の画面に映し出される試合に多くの観客が見入った。予選を主管した和歌山県サッカー協会は「実際のサッカー同様、ゴールが決まった瞬間、観客から歓声が上がった。これを機に両方とも楽しむ人が増えてくれれば」と相乗効果を期待する。

 また、和歌山eスポーツ協会主催の初イベントとして10月13日㊐午前11時から、パズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」のメーカー公式イベントをJR和歌山駅前のJAビル1階で開催。今後もプレーヤー同士の交流会や練習会を企画していく。

 さらに、高齢者向けのeスポーツ教室を自治体に働きかけており、来年度の開催を目指す。谷本さんは「指先を動かし、集中し、反射神経を使うので、認知症予防になる。インターネットで離れた場所の人と会話しながらできるため、社会性を生み、生きがいづくりになる」と話している。

 同協会(073・444・7994)。

写真=8月に開かれた国体予選(和歌山eスポーツ協会提供)

(ニュース和歌山/2019年9月14日更新)