紀三井寺開創1250年を記念した演劇「千年前から、君を探していた」が10月3日㊏と4日㊐、海南市日方の海南ノビノスで開かれる。和歌浦湾に伝わる乙姫伝説がモチーフで、主催する演劇街道きのくにプロジェクトの金澤寿美代表は「なじみのある和歌浦や紀三井寺の風景に、新たなドラマを添えていただき、私たちの生きる意味の大きさや存在のはかなさを感じてもらえれば」と願っている。

 和歌山県出身の演劇関係者らが2018年に結成した同プロジェクト。和歌山市出身のマジシャン、金沢天耕の半生を描いた昨年の初公演「酔筆奇術偏狂記」では約700人を集客した。

 今回は和歌浦を舞台にしたサスペンスタッチの現代劇。ある日、東京で暮らす香苗の元に、行方不明になった恋人から手紙が届いた。〝僕はまだあそこにいる。僕を探して〟。その言葉で故郷の和歌山へ戻った香苗の周りで相次ぐ失踪(しっそう)事件。その謎は8月9日の紀三井寺に隠されていた──。

 脚本は岩出市出身の金澤代表が担当し、田辺市出身の栗須香練さん(写真左)、紀の川市出身の坂口勝紀さんら和歌山ゆかりの俳優が出演。音楽監督は海南市の向山精二さんが務め、当日は和歌山市のピアニスト、木谷悦也さんの生演奏で送る。主演の栗須さんは「この作品を見れば和歌山がもっと好きになるはず。地元への恩返しとして演劇で盛り上げたい」と張り切っている。

 3日は午後1時と6時、4日は1時と5時。3000円、当日3500円。ネット配信は2000円。詳細は「演劇街道きのくにプロジェクト」。

(ニュース和歌山/2020年9月26日更新)