アート愛好家がギャラリーに

 かつて問屋街としてにぎわった和歌山市万町の空きビルを同市のアート愛好家たちがリノベーションし、ギャラリー「かまどの下の灰まで」を10月1日、オープンさせた。メンバーで同ビルを管理する小川貴央(よしてる)さんは「今後、多国籍雑貨店や衣料品店が入る予定。周辺には古本屋があり、飲食店も増えて人の流れが出てきた。アート作品を通して文化の発信基地にし、遊べる町にしていきたい」と願っている。

 メンバーは小川さんと理容師の井上智象(ともかた)さん、書店員の岩瀬竜太さんで、作品発表の場をつくろうとする中、万町の空きビルに目をつけた。1955年に建てられた地上3階、地下1階のビルはかつて乾物問屋だった。かまどやタイル張りの床などがレトロな趣を感じさせる地下の社員食堂を改装し、ギャラリーに。地下に人が入ったのは約40年ぶりで、片付けや壁のペンキ塗りをメンバーで行った。

 井上さんは「現代の作品がこの町にどう融合していくのか楽しみ。有名無名関係なく、地元で作品を見せる機会や見る機会を増やせれば」と熱を込める。

 5日㊊まで開催中のギャラリーメンバー写真展では、ポートレート約100点を展示している。8日㊍〜12日㊊は、サクラをテーマに全国から一般公募した写真を約10点並べる。いずれも午後1時~8時(最終日6時)。詳細はインスタグラム(kamashita.g)。

写真=かまどを囲んで次回の展示について話し合うメンバー

(ニュース和歌山/2020年10月3日更新)