2団体が活動 「中規模ホール」 「文化育てる場」

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 耐震基準を満たしていないことから、建て替え、または耐震化工事が必要な和歌山市民会館。建て替えた場合の新施設に市民の声を届けようと、2つの団体が活動を活発化させている。

 1つは「和歌山市に新音楽ホールをつくる会」。市合唱団協議会会長の岩橋延直さんと同市出身のヴァイオリニスト、澤和樹さんが代表を務め、音楽団体代表者らが名を連ねる。800人程度を収容する中規模の音楽を中心としたホールを希望しており、昨年11月、署名活動を開始。目標の2万人を超え、2ヵ月あまりで約3万人に到達した。

 今、同市にあるホールの収容人数は、県民文化会館大が約2000人、小が約330人、市民会館大が約1400人、小が約650人で、岩橋代表は「重ならない中規模が望ましい」と説明。駐車場の改善も求めており、「せっかく音楽などで癒やされても、駐車場から出るまでの渋滞で気分を害しては…。お客さんにとって気持ちよい施設で、演奏家が和歌山に行きたいと思える設備のあるホールに」と求める。

 もう1つは、演劇や音楽、ダンスなど約30団体でつくる「和歌山市民会館について考える会」。すでに昨年12月、市文化振興課と意見交換の場を持った。現在、細かい要望内容を取りまとめると共に、約50人を目標に呼びかけ人を集めている。

 事務局を務める和歌山演劇鑑賞会代表幹事の神崎務さんは「市の財政を考えると、2つ、3つと施設を設けるのは難しい。演劇に音楽会、オペラ、ダンス、伝統芸能など、多目的に利用できるホールが理想」。さらに「ホールだけでなく、練習室やリハーサル室、子どもたちの作品も発表できる展示室と、幅広く活用できる施設に。文化を発信するだけでなく、育てる場としての役割を担う、全国に誇れる文化会館を」と期待する。

 1979年に建てられた市民会館。2013年度はホール、会議室、展示室合わせ、約24万人が訪れた。市文化振興課は「今のところ建て替えか耐震工事かは決まっていない。市民の声を聞く場を持ち、できる限り反映させたい」と話している。

 新音楽ホールをつくる会は引き続き、署名を集めている。詳細は同会(073・455・8661、紀泉ターミナル内)。

(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)