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 発表者が面白いと思う本を紹介し、観客が最も読みたくなった本を選ぶ「知的書評合戦・ビブリオバトル」。中高生を対象とした和歌山大会が12月13日(日)午後0時45分、和歌山市西高松の和歌山県立図書館で開かれる。県内各地の予選通過者が戦う和歌山初の全県大会。和歌山市など紀北では11月の予選に向け参加者を募っている。

 ビブリオバトルは2007年、京都大学大学院の研究員だった谷口忠大さんが考案。発表者がお気に入りの本を制限時間5分で語り、聞いた人が〝チャンプ本〟を投票で選ぶ。スポーツ感覚で本の魅力が伝わるため、大学のサークルや全国図書館に広がり、全国大会も催されるまでになった。

 和歌山では13年12月、県立図書館メディアアートホールの活性化を図るコーディネーター事業として市民提案で実施され、中学生から一般まで4部門に14人が参加。観客200人が集まった。

 10代の読書率が著しく低く、小中高生の読書振興は県立図書館にとって課題。同館は全県大会開催をめざし、昨年も国の補助で大会を実施した。今年は県教委の主催で、和歌山市、岩出市、橋本市、田辺市、有田川町の県内5図書館と、これらの図書館以外のエリアとなる紀北、紀南地区で予選を開き、和歌山のチャンプ本を選ぶ全県大会開催にこぎつけた。

 12月の和歌山大会では、これら予選を勝ち抜いた中高生が一堂に会し激突。高校生の部での優勝者は和歌山代表として全国大会へ出場できる。

 県立図書館の立野淑郎館長は「将来的には30市町村で予選を行い、県大会を開くのが夢。ただ読んで面白かったという読書ではなく、より深みと広がりのある読書につながる取り組みに育てたい」と語る。また同館司書の楠川愛さんは「普段、読まない本に挑戦するきっかけになれば。学校での認知度が低く、先生方にも魅力にふれてほしい」と話している。

 マンガ本や公序良俗に反する本は不可。本紙配布地域の予選は、和歌山市=11月23日(月)午後1時、県立図書館(10月15日締め切り。和歌山市民図書館073・432・0010)▽紀北(日高以北で地域図書館での大会のない市町対象)=和歌山市予選と同時開催(10月16日締め切り。県立図書館同436・9500)▽岩出市=11月15日(日)午後2時、岩出図書館(10月31日締め切り、同館0736・62・7222)。

(ニュース和歌山2015年10月10日号掲載)