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 アコースティックギターやウクレレで、弦の響きを本体に伝える部品「サドル」。和歌山特産の紀州備長炭を材料にしたサドル「吉宗300」を、和歌山市の音楽プロデューサーでシンガーソングライターの羅布陽介さんが開発、4月1日に発売した。「音楽愛好家の間で和歌山の特産品が広がれば、地元のPRになる。和歌山の素材が奏でる音色を楽しんでほしい」と望んでいる。

 中学時代にギターを始めた羅布さん。「自分の声と既製品の楽器の音が合っていない」と、ここ10年は安価な楽器で弦の素材を変えたり、子ども用ギターでウクレレを作ったりと楽器の改造に力を入れる。

 弦の振動を本体に伝える素材を変えることで、自分に合った音が出せると、サドルにガラスや竹などを使用。備長炭を試したところ高音域が響くサドルが完成した。近畿大学で音響を研究する音楽仲間の上保徹志さんは「素材が柔らかく、重いと響きの振動が吸収されてしまいますが、炭は硬くてとても軽く、音を伝えるのに適している。響きがよく残り、音が華やかになる」と分析する。

 2700円。オフィス羅布(073・413・0055)。

写真=高音域を響かせる紀州備長炭のサドル

(ニュース和歌山2016年4月2日号掲載)