20160730089_ice 夏本番、和歌山市七番丁の和菓子店、紫香庵が5日に発売した〝溶けないアイスキャンディー〟が注目を集めている。葛餅(くずもち)などに使う葛粉を材料に使い、正確には溶けてもしずくがしたたり落ちにくいのが特徴で、須賀良知代表は「葛独特のプルンプルンとした食感で、少し溶けたころの方がおいしいですよ」と自信作に笑顔を見せる。

 「夏場、何か冷たい和風のものを出せないか」と考えたのが、葛を使ったアイスキャンディー。いちご、桃、みかん、マンゴーの4種類ある。葛粉を溶いた生地を炊き、いったん冷ました後、果肉を加え、凍らせてカットし、棒をさしてセロハンを巻く。全て職人の手作業だ。

 発売1ヵ月足らずだが、すでにリピーターがいるほか、10本、15本と大量に求める客もいる人気で、「食感が独特」「食べたことのないアイス」と好評。須賀代表は「しずくがポタポタとたれ落ちませんから、子どもさんに『溶ける前に早く食べなさい』と怒らなくてもいいですよ」と笑う。10日にぶらくり丁で開かれたポポロハスマーケットでは100本が完売し、23日に海南市の温山荘であった夏まつりでも50本がすぐに売り切れ、追加して対応した。

 今後、ゆず、梅、和栗、抹茶、あんこ入りなど〝和〟のテイストの新商品を増やす計画。また、客からは「バナナやパイナップル味が食べたい」、健康志向からか「にんじん、ブロッコリーなど野菜を使ったものも」といったリクエストが届く。「一口サイズのサイコロ型に切ってカップに入れ、複数の味を楽しめるようにしてほしいとの要望もあります。種類が増えれば検討したいですね」と話している。

 1本180円。同店のほか、次のイベント会場で販売。ぶらくりナイトマーケット=きょう30日(土)午後4時~9時、ぶらくり丁▽ふるさと海南まつり=8月13日(土)午後3時~9時、JR海南駅周辺▽ポポロハスマーケット=8月14日(日)午前11時~午後4時、ぶらくり丁。同店(073・426・3250)。

 写真=プルプル、もちもちとした食感が人気

(ニュース和歌山2016年7月30日号掲載)