36年間、和歌山市高松地区で子どもたちの通学見守りなど交通安全活動をしてきた石井太郎さん(79、同市宇須)が9月7日、交通安全功労者交通対策本部長表彰を受けた。「地域のために皆が一緒になって汗をかいてきた。今後は次世代に活動をつないでゆくのが目標です」とさらなる意欲を見せている。

 交通安全に長年取り組んできた個人、団体を交通対策本部長(内閣府特命担当大臣)が表彰。今年は全国で18人と3団体、4市区町村に贈られ、県内では石井さんが選ばれた。

 1970年代は、全国で年間1万人以上事故で命を落とす〝交通戦争〟と呼ばれ、石井さんが交通指導員になった81年も、現在の2倍以上となる年間9000人近くが亡くなっていた。82年から市交通安全指導員の高松地区会長として活動を続け、県協議会の会長などを歴任してきた。

 「おはようございます!」。交差点で子どもたちにあいさつすると、元気な声が返ってくる。「小学校に入りたての子は恥ずかしがりますが、じきに慣れます。私が休むと心配してくれる子もいるんですよ」と笑う。連合自治会長も20年以上続け、民生委員や婦人会メンバーと協力し、活動の輪を広げてきた。小学校で交通安全教室を開き、子どもたちと一緒に通学路を歩いて標識や交通ルールを教えるほか、約10年前には地区を巡回する青色回転灯をつけたパトロールカーを個人で自治会に寄付した。

 石井さんは「地区の協力を得るには、まず自分が率先して取り組むこと。顔の見える関係を広め、住民の結束を強めたい」と話している。

写真=通学路の安全を守る石井さん(右)

(ニュース和歌山/2017年9月16日更新)