劇団紀州 子どもも楽しめる公演

 地元・海南市の伝承を研究する劇団紀州は「演劇で伝える」シリーズの第1弾として、公演「橘とお菓子のものがたり」を10月23日㊏と24日㊐各日午後1時と6時、同市且来のすわん江戸村で開く。団員の市川福介さんは「海南はこんなすばらしい歴史があって、こんなに魅力的なんだと、演劇を通して子どもたちにも伝えてゆければ」と願う。

 同劇場を拠点に、全国で公演を行う劇団紀州。人情喜劇や時代劇はじめ、現代劇、シリアスサスペンス、民謡・民話劇、童話劇など幅広い舞台を繰り広げる。また、かつての黒江を舞台に、傘問屋の男と茶屋の女の恋愛を描いた「恋のから傘」、同市出身の治水家、井澤弥惣兵衛が主役の「お代官さま、裁きはいかに」など、地元の歴史をテーマにした作品にも取り組んできた。

 今作は同市下津町の橘本神社で10日㊐、「田道間守(たぢまもり)公1950年式年大祭」が開かれるのを記念し企画した。芝居は、みかんと菓子の神様としてまつられている田道間守が主役の古代ロマンコメディ。昔、トキジクノカグノコノミは一口食べると年を取らず、いつまでも生きられる不思議な実と言われていた。垂仁天皇から「不老長寿のふしぎな果実を探せ」と難題を押しつけられた田道間守は船に乗って、命がけで大陸へ渡り──。

 「お菓子の元である橘のお話。子どもたちにも楽しめるように分かりやすく、そして笑えるように力を入れています」と福介さん。舞踊ショーでは同市観光協会が作った菓子のテーマ曲『しあわせの味』を、劇団紀州の歌手、春菜美保さんが歌う。俳優陣による菓子の配布もある。

 2500円、当日3000円、中高生1000円、小学生500円。すわん江戸村(073・482・5758)。

写真=「人情」「感動」をテーマに、全国で活動する劇団紀州

(ニュース和歌山/2021年10月9日更新)