音楽や演劇など様々な舞台、個性豊かな展示を通し交流する文化の祭典「紀の国わかやま文化祭」が10月30日㊏〜11月21日㊐の23日間開かれる。「山青し海青し文化は輝く」をキャッチフレーズに、和歌山県内各地で160を超えるイベントが繰り広げられる。このうち、和歌山の魅力を伝える3イベントにスポットを当てる。

 

ぷるぷる娘 音楽劇に 地元小学生ら熱演

 フルーツ王国・紀の川市をPRするゆるキャラ、ぷるぷる娘がミュージカルになった。ふるさと癒やし歌実行委が主催するこの舞台は、同市の歴史や食べ物の大切さを伝えるファンタジー作品で、演じるのはオーディションで選ばれた地元小学生17人。11月14日㊐、同市貴志川町長原の生涯学習センターのステージに立つ。

 フルーツの妖精、ぷるぷる娘が粉河寺に眠る千手観音「童男さん」と、食育に熱心なCねえさんへ魔法のフルートを届ける物語だ。

 出演する児童は全員が演技初挑戦で、このうち6人がぷるぷる娘にふんする。桃の妖精ももぷる役の6年、川端このかさんは「オーディションに参加しようか迷っていた時、お父さんに背中を押してもらいました。お芝居は見に行ったことがないけど、演じるのは楽しい」とにっこり。

 Cねえさん役は、同市の演歌歌手、宮本静さん。「紀の川市の歴史やフルーツについてたくさんの人に知ってもらい、子どもたちとともに笑顔をお届けしたい」と意気込む。

 ミュージカル後は、宮本さんのコンサート。和歌山を舞台にした自身の曲を、オーケストラの演奏をバックに披露する。

 午後2時開演。指定席4000円、自由席3000円、当日各1000円増。和歌山県民文化会館、ルルミュージックほかで販売。同実行委(073・457・1011)。

 

加太のエネルギー感じて 地区全体で「カダハク」

 漁業、観光のまち、加太と友ヶ島の豊かな歴史や文化、自然にふれてもらう「カダハク」が10月30日㊏~11月21日㊐に開かれる。地元住民やゆかりのある人らでつくる加太地域活性化協議会主催で、メンバーの一人、佐竹幸さんは「過去から未来へ紡がれる歴史・文化の現在地にあるのがカダハクです。地域が持つエネルギーを感じてください」と声を弾ませる。

 メーン会場は加太総合交流センター。住人から集めた漁具や祭りの衣装、海藻を乗せた荷台を運ぶ人の姿を収めた古い写真などを展示する。また、東京大学加太分室の真田陽平さんが地元住民20人の話をまとめた資料などを通し、地域の暮らしに触れてもらう。

 友ヶ島では東大の川添善行准教授が監修し、和歌山市の廃材アーティスト、石田真也さんら芸術家3人が島をイメージした作品を3ヵ所に飾る。会期後も設置し、アートファンの取り込みを図る。

 加太港では、72㍍の防波堤に巨大壁画を描くプロジェクトを実施。期間中、ワークショップを開き、参加者らで新たな観光スポット作りを目指す。また、11月6日㊏に語り部が案内する町内ツアー、7日㊐に友ヶ島ツアーと、加太浦大護摩供顕彰会会長による「葛城修験のお話」を実施。21日の海藻フェスでは、小4~6対象に海藻を使った野外炊飯を行うほか、地元小学生と漁師が海藻をテーマに話す。加太の音楽ユニット「海藻ズ」ライブも。

 同協議会の岩田企美子さんは「漁業、修験、観光と多種多様な文化と歴史が混ざり合った加太のまちを散策し、人々の生活や文化といった魅力を知ってほしい」と話している。

 詳細は「カダハク」HP

 

和歌山城彩る光と音 孫市アニメ声優トークも

 街のシンボルがイルミネーションと音楽で包まれる──。10月30日㊏、31日㊐の2日間、「和歌山城 光と音の饗宴」が西の丸広場と周辺で開催される。ライトアップとステージを合わせたイベントで、和歌山市文化振興課は「伝統的な文化や芸術を大切にしつつ、新しいものを取り入れました」と話す。

 “光”のメーン会場は紅葉渓庭園。鮮やかな色で樹木をライトアップするほか、踏むと色や光の変化を楽しめる石垣の刻印が入ったタップステージ160台を地面に設置。庭園上空に透明の糸を張り巡らせて星空を投影し、降り注ぐ星の光を演出する。

 西の丸広場ステージでは、初日は同市出身で津軽三味線奏者の木乃下真市さん、2日目は同市の箏曲家、西陽子さんが和楽器演奏でトリを飾る。サックス奏者、Nazukiさんや紀の国マンドリンオーケストラ、バリ舞踊wakayama、よさこい喜笑花のパフォーマンスもある。

 このほか、初日は、来年1月に放送される雑賀孫市を主人公にしたアニメ「錆(さび)色のアーマ」の声優、佐藤流司さんと平田裕一郎さんのトークライブや、和歌山出身の若手女優ら4人による朗読劇も行う。

 午後5時(31日は1時)〜9時。同イベントHP

 

スタンプ集め 産品ゲット

 和歌山県内各地で行われる紀の国わかやま文化祭イベントへ参加しながらスタンプを集めるモバイルスタンプラリーが会期中、実施される。

 県が運営するアプリ「わかやま・まるごとスタンプラリー」をダウンロードし、「紀の国わかやま文化祭」ページへ。各会場へ行くとチェックイン通知が届き、ボタンを押すとスタンプがたまる。

 2市町村以上で参加した人から抽選で県が推奨する和歌山の産品、プレミア和歌山商品が当たる。また、参加者全員にマグカップやエコバッグなど文化祭グッズのうち2点を贈る。

 なお、アプリには文化祭のガイドブック、イベントを検索できる機能もある。詳細は同スタンプラリーHP

(ニュース和歌山/2021年10月30日更新)