mikan 和歌山市内の青年団体メンバー5人が昨年12月、和歌山から約1000㌔離れた宮城県石巻市へみかん1㌧を届けた。現地では「みかん狩り運動会」と題したレクリエーションで交流。企画した和歌山市BBS会の高垣晴夫さん(54)は「今回で5回目。元々、東日本大震災の被災地支援として始めましたが、今は貴重な交流の場になっている。この結びつきを大切にし、次の展開を考えたい」と語る。

 震災で3000人以上が犠牲となった石巻市との縁は、2011年12月に現地のBBS会員へストーブを届けたのが始まり。毎年末に有志が車で現地まで走り、2回目以降、みかんを使った運動会で交流を続けている。

 今回は石巻市門脇の上釜会館に住民約70人が集まった。しゃもじや頭の上にみかんを乗せて走る競走、制限時間内にむいたみかんの皮の長さを競うゲームで盛り上がった。勝った人にみかんが贈られ、早速おいしそうにほおばる参加者も。伊藤まなちゃん(11)は「和歌山のみかんは甘くておいしい」と満面の笑顔。娘の桜唯ちゃん(3)と訪れた尾形藍さん(35)は「毎年参加していて、年々できるゲームが増える娘の姿を見るのが楽しみの一つになっています」と喜んでいた。

 現地のBBS会員、天野冬望(ふゆみ)さん(20)は「みかんの量にびっくりしました。みんな楽しんでいる姿を見ていると自分もうれしい気持ちになりました」とにっこり。和歌山市BBS会の大田裕之さん(32)は「2012年以来2回目の参加で、以前に比べて街の再建が進み復興を肌で感じることができました。交流の輪をこれからも広げてゆきます」と決意を新たにしていた。

(ニュース和歌山2017年1月14日号掲載)