岩出市の市野弘さん 地域住民憩う場に

 本に囲まれた空間で世間話に花を咲かせる住民たち。岩出市赤垣内の住宅倉庫を利用した「ふらり図書館」は地域住民の憩いの場だ。開設した市野弘さんは「近くで遊ぶ子どもたちから、散歩中のお年寄りまで、だれでも『ふらり』と立ち寄ってもらえる場所です」と笑顔を見せる。

 いわで地域ボランティアネットワークの代表を務める市野さんは、近隣住民のたまり場にと、2年前、自宅の駐車スペースにイスを並べ始めた。昨夏には、隣家の倉庫を借り、「ふらり図書館」に改装。自身が所有する児童小説や画集、医学書、和歌山に関する書籍など、500冊以上の本と、自由に持ち帰れる地域情報誌を置き、10月末に開いた。よく利用する近所の広瀬久代さんは「ちょっと顔を出したら知り合いがいて、ついつい時間を忘れておしゃべりしてしまいます」。夕方になると小、中学生が宿題をする姿が。読まなくなった本を提供してくれる人もいる。

 今後は南隣の広場を使い、ラジオ体操や、子ども向けに昔のおもちゃ作り教室を考えている。市野さんは「新型コロナウイルスが収まったら、いろんな世代が集まって交流できる催しを開き、住民同士のつながりをより強くしたい」と話している。

 貸し出し可。午前8時から暗くなるまで。市野さん(090・6904・4039)。

(ニュース和歌山/2022年1月29日更新)