3月27日 城ホールで上映会

 昨年8月、東京で公開された映画『侍タイムスリッパー』が3月27日㊍、和歌山城ホール小ホールで上映される。公開直後からSNSで「おもしろい」と拡散され、全国300館以上に進出した話題作。伏虎シネオペラの会の西川和樹代表は「ブルーリボン賞や日本アカデミー賞などを獲得した作品です」と話す。

 物語は幕末の京の夜、「長州藩士を討て」と命じられた会津藩士の高坂新左衛門が雷に撃たれ、気が付くと、現代の時代劇撮影所にタイムスリップしていた。「江戸時代は終わった」と知り、絶望に打ちひしがれるも、出会う人の優しさに元気を取り戻し、現代で「斬られ役」として生きることを決意する内容。

 映画制作のきっかけは数年前、安田淳一監督が、侍が現代にタイムスリップするテレビCMを見て、「長編映画にできそう」と、1年かけて脚本を書き上げた。それを東映京都撮影所に持ち込み「時代劇を撮りたい」と提案。プロデューサーが脚本を評価し、協力を快諾した。さらに、時代劇で活躍する俳優の山口馬木也に主演をオファー。「別の仕事が入っていたにもかかわらず、『台本がいいから』とこの作品に賭けてくれた。本当に感謝しています」とふり返る。

 撮影はほぼアマチュアの10人足らずで行い、監督は脚本から照明、カメラ、編集までこなしたほど。まさに手作りで完成させた。

 今回の上映会は、安田監督が撮影・録音係として参加した別作品のロケ隊に、西川代表が雑務スタッフとして帯同したのがきっかけ。「一緒に仕事をした人の作品が、みるみるうちに話題作になっていった」と驚く。安田監督は「上映中、拍手や歓声がわき起こっていた昭和の映画館のように、笑って泣いて興奮して、会場ごとタイムスリップしたような感覚になってもらえたら」と願っている。

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 上映会は、午前10時半と午後1時半。前売り1100円、当日1500円。同会(080・3764・8811)。

(ニュース和歌山/2025年3月8日更新)