生きづらさを感じる人同士が、悩みや不安を短歌や小説で表現し、語り合って解消するサークル「心燈(ココット)」が精力的に活動している。立ち上げた冷水茉耶さん(33、写真左)は「周りに気を使い過ぎ1人で悩みを抱えている人に、外に吐き出す方法があると伝えたい」と語る。

 冷水さんは9年前、祖母の介護や転職後の人間関係からパニック障害とうつ病を発症。休職し、職場への申し訳なさと、周囲に自身の状態を伝え切れないもどかしさを感じていた。昨年4月、たまたま書店で川柳と短歌の本を手に取り興味が湧き、作家から指導を受けるように。作品を書くうち気持ちが前向きになった。復職後、似た悩みを持つ人から相談を受け、言葉にして共有できる場が必要と昨年末にサークルを立ち上げた。

 メンバーはまだ冷水さん1人だが、和歌浦のカフェに支援者が集まる。活動は文芸作品やイラストを制作し、互いの表現や悩みを語り合うほか、専門の相談機関の情報を共有、1人で抱え込むのを防ぐ。
 今年2月には初のフリーペーパー『心燈Letter』を発行。活動をサポートし、ほっとする料理をテーマにレシピを寄せる中野真甫さん(33、同右)は「家から出られない人が買い物や料理をしようと思えるよう、簡単に作れるものを紹介しました。安らぎを覚えてくれたらうれしい」。

 2号目の夏秋号を準備中。1号はネットプリントで手に入る。詳細は同サークルフェイスブック。冷水さん(cocottoheartful@yahoo.co.jp)。

(ニュース和歌山/2017年8月23日更新)