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 標高500㍍の草原で牛を放牧する黒沢牧場(海南市上谷)が4月15日、約20年ぶりに牛乳の販売を再開した。牧場内にオープンした製造工場兼店舗のミルク工房で販売。上芝卓司代表は「山地で1年中放牧しているのは近畿で黒沢牧場だけ。和歌山の大地の恵みを受けた牛乳を、大自然の中で味わってほしい」と笑顔を見せる。

 1968年開業の同牧場では現在、36頭の牛を育てている。20年前まで搾りたての牛乳を一升ビンなどに入れて売っていたが、一時販売をやめ、製乳工場に卸していた。来場者から「牧場なのに牛乳はないの?」との質問や「昔のあの味が飲みたい」とリクエストが多く、「黒沢牧場だけの味を届けよう」と、自社工場の設立に踏み切った。

 殺菌作業は通常、120度以上の高温で2~3秒かけてするが、同牧場では、栄養素と生乳本来の味を残すため65度の低温で30分かけて行う。外販部の上芝舞子さんは「牧場でのびのび育ち、足腰が強くて丈夫な牛が多いので、濃くて良質な味が特徴。くさみがなく、後口はスッキリしています」と強調する。

 工房ではソフトクリームのほか、煮詰めた牛乳にクエン酸と乳酸を入れたオリジナル飲料や牛柄ロールケーキ、ミルクプリンなども楽しめる。また、牧場内に3500平方㍍あるドッグランがあす5月1日(日)にオープンする。

 牛乳は200㍉200円、900㍉750円で販売。工房は午前10時~午後4時で水曜定休。牧場は午前9時~午後5時で年中無休。入場料400円、中学生以下200円。乳幼児無料。同牧場(073・487・1677)。

(ニュース和歌山2016年4月30日号掲載)