和歌山市和歌川町のラーメン店「麺やたけだ」が、湯浅の老舗醤油蔵「⻆長」の搾りかすをアップサイクルした無添加調味料「醤粕(ひしおかす)」を開発した。店主の竹田達矢さんは「酒かすやおからのように、誰もが知る存在になってほしい」と期待を込める。
きっかけは約20年前、知人から譲り受けた搾りかすの旨味に驚いたこと。長年醤油を仕入れている⻆長に尋ねると、もろみを搾る際に出る搾りかすは年間数十㌧に及び、すべて廃棄処理していると聞いた。「もったいない。新たな価値を生み出せないか」。蔵元に驚かれるほど再利用は前例のない試みだったが、挑戦を始めた。

目指したのは、プラスアルファの味付けに使ってもらえるパウダー状の調味料。県工業技術センターと2年にわたり共同研究を重ね、湿り気のある塊の搾りかすを、香り高い粉末にするための適正温度を導き出した。さらに、小ロットで加工に応じる製造業者を粘り強く探し出し、供給の道筋を付けた。「原料から加工まで〝オール和歌山〟のチームで作り上げた自信作です」と胸を張る。
「醤粕」は、醤油由来の深みと香り、発酵食品特有のコクが持ち味。水に溶けないので、トッピングや生地への混ぜ込みなど、アイデア次第で幅広く使える。味噌汁やごま和えに足したり、チーズに添えたりすると奥行きが出るという。
「この商品を使ってオンリーワンの商品を生み出してもらえたらうれしい」と竹田さん。和歌山発の新たな食文化の広がりに情熱を注ぐ。
商品名『粕の詩』15㌘入り800円〜。販売と問い合わせは同店(073・445・0149)。
(ニュース和歌山/2026年6月6日更新)
























