新元号の開始、消費税増と市民の生活に大きな変化が起こりそうな2019年。和歌山では、ねんりんピックの初開催、新たな道路や公共施設の完成と明るいニュースが並びます。和歌山のトピックを中心に紹介します。(いずれも予定)

 

道路整備続々 アクセス向上

 和歌山市内3ヵ所目となるインターチェンジ(IC)、和歌山南スマートIC(仮称)が3月、和歌山市森小手穂に完成する。ETC搭載車のみ利用でき、南北両方面に乗り降りできる。

 和歌山ICと海南東ICの間に新設。1日に7900台の利用を見込んでおり、和歌浦などの観光地、海沿いの流通拠点や工場へのアクセスが向上する。大規模災害時の救援ルート確保、遠方から県立医大附属病院への到着時間短縮、和歌山IC周辺の渋滞緩和といった効果が期待される。

 出入口は現在、整備を進める都市計画道路南港山東線と接続。同線の和田―吉礼間が南IC完成に合わせて開通し、吉礼トンネルと小雑賀、西浜方面の通行が便利になる。また、県道三田海南線の和田―冬野間も3月に完成する。

 このほか、3月末までに海南市重根と木津を結ぶ阪井バイパスが開通。紀の川市貴志川町の諸井橋、山田ダムにかかる愛宕橋が今年中に架け替えられる。

写真=工事が進む南IC

 

1月 和歌山歌い継ぐ歌謡コンサート

 和歌山の眠れる名曲や未来のご当地ソングを発掘し、オーディションで選ばれた新人シンガーをお披露目する「地方創生!歌謡コンサート」が1月20日(日)に県民文化会館小ホールで開かれる。

 音楽関係者が昨年、わかやま歌のちからの会を発足させた。大正から平成にかけて和歌山を歌った曲を調べると共に、未来の才能を探すソングコンテストとシンガーオーディションを行った。

 歌謡コンサートは、1部で優秀賞に輝いた楽曲や歌手を披露し、4作品からグランプリを投票で決める。2部は古家学さん、羅布陽介さん(写真右)ら県内で活躍する歌手10人が和歌山の眠れる名曲を熱唱する。

 

3月 JR和歌山線新型車両導入

 新型車両の227系が3月16日(土)、和歌山線でお目見えする。

 近畿で初導入。車体の両側に緑色のラインが入ったデザインで、現在使用している105系、117系と順次入れ替え、今秋に完了する。

 ICカードに対応する改札機を車内搭載し、2020年春から使用を開始。和歌山線全線でICOCAが利用可能になる。無人駅やワンマン列車での利便性が向上する。ドアは乗客がボタンで開け閉めできる。

写真=近畿初導入の227系

 

3月 地元ロケ映画 県文で初上映

 和歌山発の映画『Music! My Life』が3月31日(日)、県民文化会館小ホールで公開される。NPOつなごら和歌山が制作。和歌山市の音楽家、原見浩司さんがメガホンをとった。

 青春、別れ、絆など音楽をテーマに様々な切り口で描いた短編10本をつなぎ、ひとつの物語にしたオムニバス。同市のライブハウスや工場地帯、有田市のみかん出荷場など、全て和歌山で撮影した。地元の住民ら108人が出演する。

 公開日は、挿入歌やエンドロールの曲を手掛けた和歌山のアーティスト10組のライブもある。

写真=地元で撮影した

 

4月 本町小跡地に信愛大学開校

 和歌山市住吉町の本町小学校跡地に和歌山信愛大学が4月に開学する。同市で短期大学、高校、中学校、幼稚園を持つ和歌山信愛女学院が運営。4年制で、1学年80人、計320人の男女共学となる。

 教育学部子ども教育学科を設け、乳幼児期から学童期までの教育を一体にとらえられる人材を育てる。県内で唯一、小学校教諭一種、幼稚園教諭一種に加え、保育士資格を取得できるのが特長だ。自治体と連携した授業を充実させ、地域教育に力を入れる。

 市街地ににぎわいをもたらそうと、市が誘致した3大学のうちの1つで、校舎は本町小学校をリノベーション。校舎内は木材を取り入れて全面改装し、温かみのある空間に仕上げている。

 

4月 公立小中高校ICTの授業

 コンピュータやソフトウェアの仕組みを理解し、使いこなせる人材を育てるため、県教委は独自の「きのくにICT教育」を4月、県内の全公立小中高校で始める。2020年度に全国の小学校で必修化されるのに先駆け実施する。

 コンピュータに自分が求める動きをさせるプログラミングを、小中高と段階に応じて体系的に身に付けさせる。タブレット型端末やロボットを教材に、プログラミングに親しみ、論理的思考や新たなアイデアを生み出す力を育てていく。

 すでに18年度から6つのモデル校で導入しているほか、教員対象の研修や、ICT関係のクラブ活動でシステムエンジニアら企業の専門職による出張授業を行っている。県教委は新たに、児童生徒向けの情報活用ハンドブックを作成する。

写真=ロボットを動かすプログラミングを学ぶ

 

7月 新市民プール 岩出にオープン

 災害対応型の新市民プールが岩出市荊本の市民総合体育館横に7月1日(月)、オープンする。

 老朽化した堀口プールと東公園プールを統合。屋外に25㍍の大プールと、ウォータースライダーのある中、小プールの3種類を設ける。592㌧の水を1年中ためておき、災害時にはろ過装置で、1300人に1ヵ月間、飲み水を供給する。

 なお、2500平方㍍の敷地に併設するトレーニングルームは、1月中に利用できる。

 

7月 ジオパークセンター開設

 プレートの沈み込みで生み出された独特の景観や多様な動植物などが見られる南紀熊野ジオパーク。7月、串本町潮岬の観光タワー西隣に南紀熊野ジオパークセンターがオープンする。橋杭岩や古座川の一枚岩、岩層が大きく折れ曲がったフェニックス褶曲(しゅうきょく)などダイナミックな自然を生かし、県が学習、情報発信、調査研究の場として設置する。木造2階建て、延べ床面積978平方㍍。

 ジオサイトや地形が形成されてきた歴史を紹介するほか、地球のプレートパズル、川ができる過程を学ぶ実験コーナーなど体験設備が充実。ジオパークガイドや専門員による講座や解説も行う。

 

秋 松江に動物愛護施設

 和歌山市松江東の旧西保健センター跡地に今秋、市動物愛護センター(仮称)が開設される。現在は40年以上前に建てた犬舎で犬、猫とも保護しているが、3倍の90匹が受け入れられるようになる。

 不妊手術をしていない野良猫が子を産み、繁殖する悪循環を断ち切るため、手術室を新たに設置。ケガの治療や不妊去勢手術を行い、殺処分ゼロを目指す。

 ドッグラン、愛護教室や譲渡講習会を行う多目的室を備え、動物とふれあえるイベントなどを開き、命の大切さを伝えていく。

 

10月 初のきのくに音楽祭

 ヴァイオリニスト、澤和樹さんが総監督を務め、箏曲家の西陽子さん、ピアニストの宮下直子さんら音楽関係者が実行委に名を連ねるイベント「きのくに音楽祭」が10月4日(金)〜6日(日)、初開催される。

 和歌山市西高松の県立図書館2階をメーン会場に、各地で演奏会を開き、市民に音楽に親しんでもらう。夜は図書館で和歌山ゆかりの奏者による本格的なコンサートを開き、最終日は全出演者でフィナーレを迎える。

写真=音楽関係者でつくる実行委

 

年度内 和歌山市民図書館が移転

 整備が進む南海和歌山市駅周辺の再開発事業。2019年度内には公益施設棟が供用開始となり、和歌山市民図書館が移転する。TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が市の指定を受け運営。階ごとに特色を持たせる。

 計画では、1階にカフェや物産販売スペースを設置。2階は料理や旅行などの実用書と文芸書を並べるほか、郷土作家の有吉佐和子文庫を設ける。3階は学習できる落ち着いたフロアに移民資料室を併設、4階は遊具や子育て支援室を備えた親子向けのゾーンとする。屋上庭園からは紀の川が一望できる。

 なお、商業、ホテル棟は2020年春に完成する。

(ニュース和歌山/2019年1月1日更新)