パンといえば小麦粉。その概念を覆す『グルテンフリー米粉パン専門店 結 Musubi 』の平野貴代さん。3月にはジャパン・フード・セレクションの食品・飲料部門でグランプリを受賞。専業主婦だった彼女の人生を変えた米粉の魅力とこれまでの軌跡を伺いました。

米粉の力を伝えたい

──開業の経緯を教えてください 

 「2人目の育児中に、本を見ながらパンを作ったらカチカチに(笑)。どうしたらおいしくなるのか?と教室に通い始めたら虜になりました。パンって生き物。その時の気分で仕上がりが変わるところがおもしろい。最初は小麦粉でしたが、米粉パンに出会い、『地元の米で作ってみたい!』と思うように。どうせなら専門店でやりたいと一念発起しました」

──米粉パンの魅力は?

 「米は粉にすればケーキにも麺にもなるし、ご飯としてもおいしくて、体にやさしい。しかも地元で手に入り、うまく焼けると米の旨みが凝縮されます。だからこそ米そのものが大事で、地元の契約農家さんから仕入れる米を使い、一品ずつ配合を変えています」

──転機は?

 「当初はグルテンフリーへの理解も販路もなく、面と向かって『高い』と言われたこともありました。経営がひっ迫する中、なけなしのお金でホームページを作ったところ、オーガニック食材を扱うカタログ通販会社に紹介され、必要とする人の目に触れるように。アレルギーの子を持つお母さんから感謝の声を聞いた時はやってよかったと実感しました」

仲間の努力が形に

——福祉作業所と連携も?

グルテンフリー結Musubi米粉シフォンケーキ1,274円

 「今年3月受賞した『グルテンフリー 結Musubi米粉シフォンケーキ』は、かつらぎ町の和(なごみ)福祉会と共創しています。きっかけは製菓指導を頼まれたこと。その繋がりから、店の焼菓子も依頼し始めました。シフォンケーキはその1つ。ベーキングパウダーなしで作るシフォンは温度管理も混ぜるタイミングも難しいのですが、彼女らは時には涙を流しながら根気強くマスターし、美味しいケーキを生み出してくれました。受賞の知らせを持って『みんなの努力と涙がグランプリにつながりました』と感謝を伝えると、返ってきたのは『平野さんが私たちの努力を形にしてくれた』との言葉。一緒にやってきてよかったと、心から喜びを感じました。会社名の『FフィールDoむすび』は障がいやアレルギーの有無に関わらず、みんながフラットな場で同じものを食べられる社会を目指すという想いを込めています」

──今後は?

 「アメリカの展示会で好評価をいただき、世界を目指せるんじゃないかと思うようになりました。今は輸出できる設備が整っていませんが、経験上、諦めなければ成功できると信じています!」

【グルテンフリー 米粉パン専門店 結 Musubi】
(株式会社FフィールDoむすび)
橋本市岸上522-1-2F
◇電話0736-33-1388
◇(営)土日の11:00〜16:00
◇㊡ 月〜金曜

(ニュース和歌山/2026年7月18日更新)