提案者:腹巻 宏一(柔道学習塾「紀柔館」代表)


 写真は、和歌山大学システム工学部の大学院生、小野田裕己さんが撮影してくれた紀柔館の練習風景です。「柔道は競技スポーツの側面だけでなく、子どもたちに笑顔の中で礼儀を重んじ相手を敬う心も養う、人間教育の武道です」などと、柔道の良さを文字で伝えるより、この写真を見てもらえれば説得力があると思いませんか。

 現在、若者たちはSNSなどインターネットを介して世界中のあらゆる情報を収集し、ビジネスやライフワークに有効活用しています。一方、高齢者たちが地域の様々な活動を知るのは市報や回覧板が多く、情報量は限られてしまいます。そこでインスタグラムのような、情報を発信する側にも求めている側にも、手軽で伝わりやすい、地域限定版SNS〝和歌山グラム〟なんていうのを作ってはどうでしょうか。

 地域住民だけが、あらかじめ設定された簡易フォーマットの手順に従えば、簡単に1枚の写真と短文が投稿でき、ハッシュタグと呼ばれる検索用キーワードも選択肢の中から選ぶだけ。検索できるのも、住民と現地を訪れた観光客限定です。専用タブレットを、コミュニティセンターや地域包括支援センター、スーパーやコンビニにも協力してもらい、設置します。買い物などのついでにそれを使うことで、興味のある活動があれば連絡先へ問い合わせたり、活動場所へ直接行けたりするようにします。

 このようなシステムを行政主導で作れば世代や地域を問わずだれでも利用でき、「近くにこんなええとこあるわして」という発見が、もっと増えるのではないでしょうか。和歌山グラムができれば、ぜひ私も「紀柔館でシニア向け転び方健康教室始めました!」って投稿したいですね。

この法案にご意見を

①よくする法案への「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業(または無職・主婦)、住所、電話番号を書いてください(匿名希望の場合、その旨も明記)。次々号以降掲載致します。皆さんからの「よくする法案」も受け付けます。

②フリー投稿…ペットや季節の写真に一言添えたもの、身近な出来事をつづった文章をお寄せください。(写真は返却できません)

 郵送=〒640・8570ニュース和歌山編集部「よくする法案」「フリー投稿」各係

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法案への読者の声

小・中学生に能楽鑑賞の機会を

5月27日号掲載

 和歌山は近畿で唯一、また、全国的にも能楽堂がない数少ない県です。そこで、伝統芸能の素晴らしさを体験するため、次代を背負う子どもたちに、義務教育の間に1回は能楽鑑賞会に参加してもらいます。 (和歌の浦万葉薪能の会代表 松本敬子)

 ◎わかやま歴史館へ行けば、紀州徳川家独自の演目「石橋」があり、紀州藩で能が盛んだったことが分かる。そんな地に能楽堂がないことは寂しい限りだ。後進育成にと、ワークショップで教えておられる観世流シテ方文化庁認定の重要無形文化財保持者、小林慶三先生が主宰する小林観諷(かんぷう)会では、毎年春に県民文化会館で公演しており、今年は「羽衣」を上演した。和歌山で能が身近でないのは、能楽堂がないことが問題だと思う。西の丸に能楽堂が復元されるとも聞く。天候に左右されず鑑賞できる座席をぜひとも設けていただきたい。子どもたちが身近に本物の伝統文化にふれることができるようになるのを願っている。(主婦 匿名 61歳)

 ◎子どもたちに能楽など、日本文化、芸能にふれてもらうことは、とても良いこと。日本の文化は、想像させる、考えさせるという、脳を鍛えるようなものがたくさんある。短歌・俳句のように、限られた文字数に季語を入れて、思うところをきれいに詠むものや、かるたのように、記憶と反応を鍛えるもの、さらにそろばん、習字など、日本の文化は、脳を鍛えるということでは、世界に類を見ないものがある。ところが、今はそれが廃れ、国もその重要性を理解することなく教育の場からなくし、非常に少数派となっているのが残念でならない。ぜひ、県の教育として実施してほしいし、子どもに来てもらうよりもまず、出前能楽。学校に行って、演じてみてはどうでしょうか?(公務員 匿名 51歳)

 ◎同じものを見ても子どもと大人では感じ方が違う。子どものころに鑑賞する機会があれば、感動を心に刻め、感性が豊かな人間に成長できると思う。より魅力的な大人を一人でも多く増やすためにも必要。(会社員 匿名 38歳)

 ◎中学生のころ、授業の一環として能楽を鑑賞したが、正直、良さがよく分からなかった。法案を読んでも具体的な良さは伝わってこないので、その必要性がいまだによく分からない。ただ、提案者の方々が子どもを対象に行っているワークショップは好評のようなので、単に能楽を鑑賞させるのではなく、子どもたちに面白さが分かるように大人が働きかけるのであれば、法案には反対ではない。(主婦 匿名 30歳)

 ◎和歌山で能楽を鑑賞する機会がほとんどない今、取り入れることで子どもたちに良い刺激となる。積極的に取り入れてほしいところだ。しかし、県教育委員会と市町村教育委員会が積極的に導入するかは不明なのも事実。今は学力向上が最優先されている節がかなり濃厚。正直、頭が固すぎるというのが一県民、あるいは一市民としての意見だ。頭の固い組織に対して、どう説得し納得させるのかといった手法に期待したい。(契約社員 川﨑健太 34歳)

(ニュース和歌山/2017年6月17日更新)