まちを育てる一歩
和歌山市の人口は1982年をピークに減少傾向にあり、それに伴い、空き地、空き家、空き店舗は増加しています。そういった空き地は暫定的に駐車場として活用されるパターンが多く、どこもかしこも駐車場というまちなかの姿になりつつあります。
一方で空き家を活用した、ここ和歌山市のリノベーションの動きが全国的にも活発な活動として注目されています。空き家、空き店舗を活用した飲食店やゲストハウスなど民間による投資が行われ、また行政による再開発事業も進められています。
そんなリノベーションの先進地、和歌山市で紀州まちづくり舎が誕生したのは2014年10月です。ぶらくり丁に石窯ポポロというレストランを作り、毎月第2日曜日にポポロハスマーケットを開催してきました。出店当時のぶらくり丁はシャッターが閉まっている店が多く、そこにあえて出店していくにあたり、定期的なマーケットを開催し、集客、新しいチャレンジを促してきました。
それがぶらくり丁や周辺エリアでの新たなチャレンジへとつながっていったと言えるのかどうかは分かりませんが、中心市街地に新たなコンテンツが増えつつあることは確かです。商店街の通行量が増加傾向に転じ、下げ続けていた路線価が上昇傾向に向かい始めたことも、一つの結果と捉えることができます。
初期投資からもうすぐ5年になります。ここまで続けられたことはたくさんの皆様の応援や協力のお陰です。ありがとうございます。自分たちが住むまちをどんな素敵なまちにしていくか、空き地や空き家が増える時代こそ、もう一度まちをデザインし、欲しい暮らしを手に入れることができるタイミングでもあります。新たなまちのお店に足を運んであげてください。そこを使ってあげることがきっと素敵なまちを育てていく一歩になると思います。
(ニュース和歌山/2019年7月13日更新)