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まなぶ 太地町のイルカや鯨のニュースをよく聞くけれど、何か問題になっているの?

お父さん イルカを追い込んで捕る漁のことだね。外国の団体が、鯨とその仲間のイルカを捕るのに反対して、漁師さんの仕事のじゃまをしているんだ。5月には日本動物園水族館協会が世界の協会から言われて、追い込み漁で捕れたイルカを水族館が買うのを禁止にしたんだよ。それもニュースになったね。

まなぶ どうして太地町ではイルカの漁をしているの?

お父さん 太地町で昔から受け継がれてきた漁で、漁師さんには欠かせない生活の手段になっているからだよ。江戸時代には鯨のお肉を売り、骨やひげも無駄にせずに工芸品にして町が栄えたんだ。今は県の許可をもらい、国が決めた限られた数を捕っているよ。まなぶが見た水族館のショーのイルカは、太地町から来たイルカだったね。

まなぶ 昔から鯨やイルカと一緒に生きてきたんだね。

お父さん 人はみんな動物や植物の命をもらって生きているよね。それを、その地域の文化や歴史、生活を理解せずに一方的に責めてはいけない。ちょうど今、和歌山県立博物館で12月6日(日)まで、江戸時代の鯨の漁を描いた絵や、鯨の歯で作った将棋の駒などを展示しているよ。まなぶも一度見に行ってもいいかもね。

写真=県立博物館に展示している鯨の種類を描いた絵図(太地町立くじらの博物館蔵)

(ニュース和歌山2015年11月11日号掲載)