怖さ:4 海の妖怪 出没地:和歌山市加太

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 海に住む妖怪の代表とも言える存在。多くは夜間、突然海上に現れ暴風荒波を巻き起こし、舟を沈めてしまうらしい。和歌山市加太にはこんな話が残っている。漁師が友ヶ島付近で漁をしていた時のこと、急に天候が変わったので、帰り仕度をしていると、突然、舟に次々と小石が投げ込まれる。振り向けば、人の何十倍もある大きな海坊主が現れて、「杓くれ杓くれ」という。杓とは舟に入った水をくみ出す柄杓のこと。これを渡すと海坊主は舟に水を入れ沈めてしまうので、漁師は杓の底を抜いて渡したという。杓の底を抜いて水もくめないとは、何ともとんちのきいた話だ。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎月第2、4土曜、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)