160824_rieru みかんや桃、梅干しと県産品とのコラボ商品を次々と生み出し、女性の人気を呼ぶ岩出市のワッフル専門店「ベルクライン」。昨年末に和歌浦にある明治期の和風建築、雲山萬化荘で「純喫茶リエール」を開店し、和の空間で創作スイーツを提供する。斎藤晋也社長(52)は「食材や風景から地元の良さを感じて」と願う。

創作スイーツ続々

 リエールの店内。焼きたての甘く香ばしい香りが広がる。メニュー表を開けば、甘酸っぱい大粒の南高梅、老舗和菓子店総本家駿河屋のあんこ、有田みかんのマーマレード…。県内ブランド品とワッフルを組み合わせた創作スイーツに思わず目移りする。

 「駿河屋とのコラボ商品は、3月の発売から1ヵ月で1万個売れました。あんこのすっきりした甘さが好評です」

濃厚な味わいと香り

 泉州出身で25年前に岩出市へ。通信会社の営業職、船会社の事務、トラック運転手、レストラン店長と職を転々とした。ワッフルとの出合いはブームだった1990年代。何気なく入った喫茶店で食べた味に衝撃を受けた。

 「独特のサクサクした食感が忘れられませんでした。その味を越えたワッフルで店を持とうと、トラック運転手をしつつ夜な夜な、3年間試作を重ねました。小麦粉、牛乳などのバランスが大切。たっぷりのバターでコクのある濃厚な味わいと、クロワッサンに近い風味に仕上げました」

 2008年、ベルクラインを開店。アップルシナモン、チョコチップなど10種類以上の味を生み出し、若い女性にはすっかりおなじみだ。

160824_rwaffuru 「本場ベルギーは正方形の軽い食感のワッフルと、中身が詰まった円形のワッフルがあります。正方形は店内用で、焼く直前にメレンゲを混ぜてサクサク感を出し、持ち帰り用の円形は生地を2回発酵させてもっちり感を出します」

温かさへの恩返し

 昨年12月には空き店舗になっていた和歌浦の雲山萬化荘で喫茶を始めた。

 「船会社で働いていた時に阪神淡路大震災が起き、由良の渡船組合の人たちが船を惜しみなく回してくれた。温かい和歌山の人たちに恩返しができればと、県産品を生かした商品作りを始めました。和歌浦の風景に溶け込む和の空間で、地元の自慢できる味を楽しんでほしい」

 感謝の気持ちをワッフルに込め、ブーム再来を目指す。

 

【ベルクライン】

岩出市中島813-1。午前10時~午後6時(金土日は8時半)。☎0736・61・1661。

【純喫茶リエール】

和歌山市和歌浦中3-5-5。午前9時~午後5時(土日祝は7時)。☎073・499・8698。

(ニュース和歌山2016年8月24日号掲載)