〝日本のアマルフィ〟と呼ばれ注目を集める雑賀崎。白いオムライスと手作りケーキが目を引く「ル・ヴォーグ1008」の店長、浅井尚さん(30)は「大事にしているのは、素材の味を際立たせること」ときっぱり。潮風の中でゆったり過ごせば、リゾート気分を味わえるかも。
港町でゆったり
──おしゃれな古い家具がたくさんあります。
「以前アンティーク雑貨店を営んでいた父の影響です。元々駄菓子やタバコの店だった築80年以上の民家の内装や外壁をすべて白く塗り、父の店にあった1920年代のランプ(左写真)をはじめ、ヨーロッパのアンティーク家具を中心に揃えました」
──なぜ料理の道に?
「父がカフェやバーも経営していたので、小さいころから身近でした。中学の時、父が紀美野町でカフェを始めたのを機に大阪の高石市から和歌山に引っ越し。高校2年のころから休みの日は店を手伝っていました。その後、大阪の職業訓練校に1年通い、洋菓子作りをイチから勉強。卒業後はケーキをメーンにしたカフェのオープンを夢見て、2年の間に2つの店で修行しました」
──どうして雑賀崎に?
「父の店が山の中だったので、競合しないよう海辺を考えており、のんびりした雰囲気、気持ちのいい潮風に引かれ、ここに決めました。オープンは21歳だった2015年で、地元の漁師さんたちにもかわいがられて続けています。波の音が聞こえるテラス席もあり、大阪から来たお客様が『いつもの都会のけん騒から離れて、ゆったりとした時間を過ごせます』と喜んでくれます」
進化へ試行錯誤
──白いオムライスが人気です。
「ミルクをふんだんに使ったホワイトソースをたっぷりかけています。ケーキを焼くため、ミルクやバターがたくさんあるので、オーソドックスなケチャップとは差別化しました。ソースは焦がしバターでコクを出し、こしょうでアクセントを追加。具材はあめ色になるまで炒め、甘みを引き出したタマネギのみ。極力シンプルにすることで、材料の味がグッと際立つようにしています。『すごい、白いオムライスだ!』と、初めて来るお子さんは楽しんでくれます」
──おすすめのケーキは?
「すべて手作りの15種類以上ある中で、チーズケーキが特に人気です。種類は秘密ですが4つのチーズをブレンドしています。口いっぱいにミルクを感じてほしいので、酸味の出るレモンはあえて入れていません」
──今後は?
「どのメニューもまだおいしく進化できると思っていて、調味料を替えるなど、日々試行錯誤しています。コロナ禍の時と比べ、人の流れも活発になってきました。今後、雑賀崎にもっと人が来るはず。そんな人たちの憩いの場として使ってほしいですね」
【ル・ヴォーグ1008】
和歌山市雑賀崎1008
営業 11:00~17:30
定休日 火曜
電話 073・488・8446
(ニュース和歌山/2024年2月24日更新)