震災から命を守る会 臼井康浩さんに聞く

 6月の大阪北部地震、9月の胆振(いぶり)東部地震と大地震が相次いだ今夏。1日の内で最も長く過ごす自宅や職場での防災対策について、震災から命を守る会の臼井康浩さんに聞いた。
 家具が転倒する危険性は、ビルやマンションの上層階や、畳やマットといった柔らかい床ほど高くなる。出入口や寝ている場所の近くに置かず、タンスは床との間に小さな物を挟んで壁側に少し傾け、重い物を下、軽い物を上に入れる。

 固定具はL型金具やベルト、ワイヤー式、マット式など用途に応じて使い分け、組み合わせると効果が上がる。金具を取り付ける際、気をつけたいのが壁の裏にある芯材を見つけること。薄い壁板に固定してもすぐ外れてしまうため、軽くたたいて芯材がある音の違う部分を探し、そこにビスをねじ込む。

 家電も危険で、冷蔵庫やテレビはチェーンやゲル状の耐震マットで固定し、キャスターはロック。電子レンジや炊飯器も小さな子どもにとって凶器になる。

 窓ガラスはフィルムやガムテープを貼り、食器棚は引き戸のものを選ぶかロックを取り付け、ガラスの飛散を防ぐ。

写真=県が開く防災講座でも固定方法を紹介している

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 ※臼井さんより…阪神・淡路大震災では死者6400人のうち、4400人が窒息死と圧死で、家屋の耐震化と家具固定が生死を分けます。行動することで防災意識が高まる。被災後の備えに目が向きがちですが、まずは生き残るための備えを実践してほしい。

 

《家具固定に関する問い合わせ》
施工業者について
 和歌山県防災企画課
 ☎ 073・441・2271
取り付け費用補助について
 和歌山市地域安全課
 ☎ 073・435・1005
 海南市危機管理課
 ☎ 073・483・8406
 岩出市総務課
 ☎ 0736・62・2141
 紀の川市危機管理課
 ☎ 0736・77・5077

(ニュース和歌山/2018年9月15日更新)