『わたしのゆたんぽ』 作・絵 きたむらさとし(偕成社)

 女の子はゆたんぽが好き。でも、ゆたんぽは女の子の冷たい足が嫌い。毎晩、女の子は逃げるゆたんぽを足で押さえこんで、眠りについていました。

 ところがある晩、ゆたんぽが窓を割って逃げました。「おまちなさい!」。女の子の足はぐんぐん伸びて、ゆたんぽを追いかけます。夜空を飛び、ジャングルを抜け、氷山を越え、宇宙へ! ゆたんぽと足の壮大な追いかけっこが始まりました。

 ところで、みなさんの家では、眠る時、足元にあったゆたんぽが、起きたら布団の外に出ていたことってありませんか? 夜中に足で蹴ったかなと思ってましたが、冷たい足を嫌って逃げたのかもしれませんね。

(和歌山市民図書館司書 額田美那子)

(ニュース和歌山/2019年2月27日更新)