皆さん、こんにちは! マエオカテツヤです。おかげさまで『妖怪大図鑑』も200回を迎えられました。これもひとえに妖怪…もとい、読者の皆さんのおかげです。妖怪を通して新たな和歌山の魅力を発見しようと始めた連載でしたが、改めて和歌山ゆかりの妖怪の多さ、老若男女問わず、和歌山の妖怪ファンの多さに驚いています。さて、新型コロナウイルスで世界が恐々とする現在。何か妖怪でお役に立てないかと、この連載でも「疫病(えきびょう)退散」のお守りになる妖怪を紹介してきました。今回は、笑うと免疫力が高まるということで、笑っちゃうような4つを紹介します。きっと妖怪たちが守ってくれるはずです。一緒にコロナを乗り越えましょう!

 

其の百九拾八〜オッケルイペ

面白度:3
家の妖怪
出没地域:北海道

 アイヌにはオナラの妖怪が伝わる。名前は「オッケルイペ」。アイヌの言葉で「オナラをする者」という意味だ。家の中で一人でいるとき、どこからともなく、「ポァ」と屁の音が聞こえてくる…。とともに強烈な臭いが漂ってくる。思わず鼻をつまむが、今度は部屋のあちこちから「ポァ」と屁の音と臭いが続き、たまらず部屋を飛び出すほど臭くなるという。でも、心配なかれ、人間の方も負けじと屁をかましてやると、オッケルイペは退散するそうだ。人前で屁を出せない女性などは、口で音の真似をすると良いらしい。オッケルイペは時に人に化けるそうなので、周りによく屁をこく人がいると疑ってみるといい(笑)。

 

其の百九拾九〜尻目(しりめ)

面白度:2
町の妖怪
出没地域:京都府

 京都市でのこと。ある夜、一人の侍が家路を急いでいた。ちょうど、帷子辻(かたびらがつじ)にさしかかったとき、「ちょっと」と怪しい男が呼び止める。声の方を見ると、男はひょいと顔を上げた。驚いたことに、その顔には目も口も鼻もない。「おのれ、のっぺらぼうめ…」と侍が身構えると、声の主は突然、着物を脱いで素っ裸になり、ぷりんと尻を男に向けてきた。その尻には大きな目玉がついており、さすがの侍もこれには肝を潰して逃げ出したという。この尻目が初めに紹介された江戸時代の書物『蕪村妖怪絵巻(ぶそんようかいえまき)』には、これを「ぬっぽり坊主」としているが、お尻に目のある変な妖怪。姿形のインパクトが通り名になった珍しい例である。

 

其の弐百〜はらだし

面白度:5
町の妖怪
出没地域:由良町

 古寺に住み、一見すると普通の人間の姿だが、何にでも化けることができる。特に自分の腹に顔を作り出して人を楽しませるのが好き。道に迷った人を寺に泊め、ご馳走でもてなしたりもする。また、知らぬ間に人のいるところに現れ、酒をすすめると喜んで腹踊りを始めるらしく、その踊りを見た者は良いことがあるという。由良町でも、不漁続きで明日の生活を心配した漁師さんたちが集まり、今後の話をしていたところ、見知らぬ男が一人、混じっている。この男も同じ境遇なのだろうと、訳も聞かず酒をすすめると、男は喜んで飲み、陽気に腹踊りを始めた。翌日から大漁が続いたらしい。

 

其の弐百壱〜倩兮女(けらけらおんな)

面白度:4
町の妖怪
出没地域:有田川町

 江戸時代の画家、鳥山石燕(とりやま せきえん)が描いた『今昔百鬼拾遺(こんじゃくひゃっきしゅうい)』にも載っている妖怪。人通りのない道を歩いていると、どこからともなく「けらけら」と笑いかけてくる。声のする方に目をやると、垣より大きな女がこちらを見て、「けらけら」と笑っていた。また、数人で歩いていても、笑い声は一人だけにしか聞こえなかったり、気の弱い人は笑い声を聞いただけで気を失ってしまったりするらしい。有田川町にも似た話が伝わっている。こちらは夜道を歩いていると、突然、腹の底からおかしそうに「けらけら」と笑う女の声が聞こえてくるが、どこを見回しても女の姿はない。ただ、あまり笑うので、こちらももらい笑いしてしまい、夜道の怖さを忘れてしまうのだという。

(ニュース和歌山/2020年5月9日更新)